こんばんわ、トーコです。
今日は、本田健の『大富豪からの手紙』です。
■あらすじ
大富豪のおじいちゃんが亡くなり、残したものは「9つの手紙」でした。
孫は、何かが起こるたびに1つ、また1つと手紙を開封していきます。
■作品を読んで
まずは、これまでに紹介した本田健作品です。402.『仕事消滅時代の新しい生き方』
これもまたすごいのですが…。現実を突きつけられますよ、いろいろ。働き方は変わるはずな時代のことですから。
とはいえ、東京で暮らしてつくづく思うのですが、皆さん危機感ないですね…。
退屈そうな顔して電車に乗って会社で時間いっぱい仕事して、家に帰れば寝に帰る。未来永劫(60歳まで)このままの暮らしが続くと思ったら大間違いなのにね…、と思いながら毎日電車の中のサラリーマンを観察しています。
まあ、トーコもサラリーマンなのですがね…。仲間入りしないように頑張ります。
さて、作品に行きましょう。
物語は、大富豪で一代で財を成したおじいちゃんが亡くなり、おじいちゃんが孫の敬に向けて手紙があるという連絡を受けた場面からスタートします。
おじいちゃんは死んだ時に財産を残しませんでした。すべて慈善団体に寄付したためです。
また、敬は父親と絶縁状態です。それは母親が病気になった時に何も看病等を手伝わずにいたこと、母親の闘病中の出来事も思い出したくないからです。
敬にとってのおじいちゃんは、母親、妹と共に良き理解者でした。敬は弁護士から手紙を受け取るも、恐くて手紙を開けられずにいました。
そんな様子を見た敬の彼女の絵美が「絶対開けるべき!」と後押しし、第一の手紙を開けます。
ここから手紙の中身をばらしますので、ここで内容を知りたくない方はここで読むのを止めることをお勧めします。
さて、大富豪だったおじいちゃんからの手紙は9つあります。
第一は、【偶然】。
「偶然というものは、この世に存在しない」
キミには、これからの人生で、「すべてのことには意味があって、自分も幸せにするために起こっている」という可能性を見てもらいたい。
「どんなことが起きても、それは自分を幸せにするために起こっている」という感覚を、この「第一の手紙」で伝えたい。
これはおじいちゃんからの手紙の抜粋版ですが、大切なのは、「偶然はこの世になく、どんな出来事もすべては自分のためにある」ということでしょうか。
これらの手紙の内容に沿った物語が展開されます。第一の手紙を読んだ後、敬は今が人生の転機になるんだろうな、と悟ります。
ちょうど学期末テストが終わり、周りが気が抜けている中で、敬は小樽行きの航空チケットを買います。
なんで小樽?と思ったら、いつも蟹を送ってくれる猿田さんの存在を思い出します。おじいちゃんのことを知ってるかもしれない。
いつもは行動できない敬が、さっと行くことを決めています。
ちょうどその時、第二の手紙を開ける時が来ます。第二の手紙は、【決断】です。
「決断をすること=自分の新しい未来を創り出すこと」だと覚えておいてほしい。
「不安のコスト」=「手に入ったかもしれない最高の未来」となる。
「決めたことは、紙に書かないと実現しない」と覚えておいてほしい。
最高の人生を生きるために必要なことは、決断すること。
敬は最高の人生を生きたい、と思っても、どうすればいいのかはわかりません。敬は小樽に行き、猿田さんに質問します。
猿田さんは、決断する時は、不安や恐れを感じるものだと言います。なぜならは、いかに記載しますよ。
- 不安や恐怖を感じて当たり前だ、と気づくこと
- 不安の裏側にあるワクワクする気持ちにフォーカスする
- 決断にストレスを感じることほど、即決する
まあ、その通りですね。いろいろ決めていけば、このタイミングで決断したことを後悔することはなくなります。
同時に「すぐに決断する習慣」を身につけること。これは3の言い換えになるのでしょうかね。これは忘れそうになるから気をつけよう。
猿田さんと会ったことで、得たことはこれだけではありません。おじいちゃんと敬の父親との軋轢の話も教えてもらいます。
最後に猿田さんが敬の将来を見届けられることを楽しみにし、敬にこういいます。「迷ったら、怖い方に飛び込め」
第三の手紙は、【直感】です。手紙には、こう書かれていました。
理性ではよくわからないときでも、「心と体で得た直感に、人生をゆだねる勇気」を持つこと。
「人生で、いちばんつまらないのはね、何も決めないまま、ただ時間をダラダラと過ごしてしまうこと」なんだ。
一時的には、「失敗したかもしれない」と思ったこともあるが、後から振り返ると、その決断が間違っていなかった、ということばかりだった。
敬は、さらに猿田さんにも聞きます。直感についてさらにこう聞きます。
直感は、新しいステージへの誘いでもあるから、それに対して恐れを感じることは、よくあることです、と言います。
うまく言えませんが、直感って理由はないけど、本人の中で滅茶苦茶自信があるときがあります。意外と心は分かっているので、おとなしく従うのも一つの手かもしれませんね。
第四の手紙は、【行動】です。おそらく重要なのは、
いくら「決断」しても、「行動すること」なしにはその未来は近づいてこない、1ミリも。
大半の人は、「将来、不都合があるからイヤイヤやる行動」に精一杯で、「楽しいからやるワクワクする行動」をやらない。
敬自身にも動きがあります。まず、旅をするための休学届を友人によって提出されてしまいます。
仕方ないので、京都にいるおじいちゃんの親友の徳山さんに会いに行きます。ここで、行動するためのヒントをもらいます。
次に家族に会い、さらに彼女の絵美にも会い、絵美に振られます。傷心のなかタイに行き、おじいちゃんの友人でもある大企業の会長に会いに行きます。
第五の手紙は、【お金】です。
おじいちゃん自身も20年ほどはお金に悩まされていました。そんなおじいちゃんから見たお金の正体です。
【1】お金とは「エネルギー」であり、善悪はない。
【2】多くの人が「お金を信頼すること」によって、その価値が成立している。
【3】「お金と、どう付き合うか」は、選択できる。
お金に邪魔をされない人生が大切ですが、敬は何とかソムチャイさんという大企業の社長に出会えました。
ソムチャイさんはさらに、お金持ちになる方法も教えます。お金に働いてもらうのもありですが、まずは自分への自己投資も必要だと言います。
まあ、特に今の世の中を生きるには、お金に働いてもらう方法も学んだ方がいいですね。
結構な分量が割かれている気がします。
第六の手紙は、【仕事】。手紙には、仕事の本質についてが書かれています。
「仕事をしないでたくさんのお金を得たとしてもね、本当の意味で、人は幸せを感じることはできない生き物」なんだ。
成功している人はね、みんな仕事が大好きだ。というよりも、「心から仕事が大好きだから、成功した」というのが正しい順番かもしれない。
ほう、とうなってしまいますが、その通りです。成功している人って、その仕事のことを心底から好きだし、どんなことがあってもそこそこ楽しそうな顔して仕事しているような気がします。
とはいえ、これだけでは敬は分からないので、ソムチャイさんにさらに聞きます。
仕事の「工夫」とは、とれだけの「質」と「量」と「方向性」です。仕事で成功して、ある程度の資産を築ける人」は「視線の高さ」が違います。
おそらく、先の2つは相関性があると思います。そうなりたい、トーコです。
敬は、ソムチャイさんのレストランで働き始めます。この教えをどう生かそうかと悪戦苦闘します。
第七の手紙は、【失敗】です。まるで天国のおじいちゃんはこの状況を見越してたんか、というくらいどんぴしゃりのタイミングで手紙を送ります。
そこには、こう書いてありました。
「成功のためには、失敗は必要だ」ということを知るだけでいい。「失敗のない成功は危険だ」とも言えるね。
私から見れば、肉体的な制限があるよりも、「何をやりたいかわからないまま、自分にとって、どうでもいい仕事をやる」方が、よほど不幸な人生だと思う。
成功するのは難しいようだけど、「挑戦する人の数が少ないので、実際には、競争相手はほとんどいない」
ちょっと気持ちが上向くと思いませんか、ってトーコだけなのか…。
成功のために失敗がいるなら、失敗を恐れる必要はない気がしますが。どうも世の中はそうではないようです。
でも、好きでもないことで1日の3分の1を過ごすのって、もったいない気がします。それに挑戦する人が少ないなら、それこそ達成できるか、実現できるかに注力すべきです。
敬はソムチャイさんのレストランで様々な挑戦をします。そして、自分で考えで行動を起こし、失敗と成功をと共に様々な学びを得ます。
そして、ソムチャイさんからこういわれます。
「人生の目的はね、自分を差し出すことで、人に喜んでもらうこと」
大切なのは、普段から、『次のステップは、何か?』を考えておくことだよ。
人に喜んでもらうことって、結構仕事のやりがいのところで重要だったりします。誰かが目の前で喜んでもらえる、という体験も必要なのかな、と。
というか、喜んでもらえるって、うれしくないですか?。うれしくない方はいるのでしょうか…。
また、『次のステップは、何か?』を常に考えておくことって、今がしんどくてもいい支えになると思います。
とはいえ、先が少しずつですが見えてくる段階にならないとわからないものですが…。
敬は、次のステップとしてブータンに行くことにします。
第八の手紙は、【人間関係】です。うお、ここにきてか、と思いますが、中身です。
結局は「人は、お金や社会的地位では、幸せにはなれない」ってことなんだよ。
「いい人間関係なしには、何事もうまくいかない」
「人を好きになってもらいたい。そして、人に好かれる人になってほしい」
その通りです。いい人間関係が築けない人がうまくいくはずはないです。扱いがぞんざいだったり、見ていて違和感のある人の周りからはどんどん人が離れます。
そんな光景を見たことがきっとあると思います。トーコも目撃しています。
敬は家族とのわだかまりを抱えたまま、旅に出ていました。しかし、ブータンに来たことで家族に愛されていたことを改めて確認します。
第九の手紙は、【運命】です。
「悪いと思うことが起きるたびに、これで1つネガティブな要素が減った」
「人生を変える選択肢が、毎日、与えられている」
「直感で動き、人生がもたらす、すべてを受け入れること」
悪いことが起きても、ネガティブ要素が減ったと言って、喜べたらまあ、よしとできますね。
私たちのほとんどが分かっていないけど、人生を変える選択肢はいくらでも転がっています。
ただ流されているのではなく、自分の人生をきちんと選び取ること。偶然と直感に満ち溢れている中で、私たちはどんな未来を送りたいのでしょう。
ちょっとだけ、未来にワクワクして、何かしたくなったことができたら御の字じゃありませんか。
■最後に
9つの手紙とともに導かれながら、人生に大切なものを学んでいきます。
ストーリーと共に学びが凝縮されています。直感と偶然に導かれながら、ワクワクする未来に向けて動き出したくなります。