こんばんわ、トーコです。
今日は、松浦弥太郎の『「じぶんらしさ」はいらない』です。
「自分らし@」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン (集英社文庫)
■あらすじ
突然ですが、皆さんにとっての「じぶんらしさ」って何でしょうか。と言われても、言葉にし難いものがあると思います。
じぶんらしさを大事にしすぎて、息苦しくなっていませんか。そんな時は思い切って捨ててしまうのも1つの手です。
まずは、頭ではなく心で考えることを学んでみましょう。
■作品を読んで
まずは、これまでに紹介した松浦弥太郎作品を。
70.『場所はいつも旅先だった』、238.『いつもの毎日。衣食住と仕事』
この方は、あらすじのようなことを熱く語るタイプの方ではないですね。むしろ静かに淡々と話してくれる方です。
というか、そんなに熱くなくていいんです。受け手のこっちとしては(トーコは)、そんなに来られても困るし、第一かなりプレッシャー…。
なので、このくらいの語り口で十分なんです。個人的には。
2022年のうちに変わりたいと思う方はぜひこの本を読んでみてください。じぶんらしさを捨てることが、新たな可能性につながるのですから。
なぜかというと、「自分らしさ」にこだわりすぎる人は、自分で勝手に決めたルールに縛られていることが多いから。
まず、第1章では、心で考えることの重要性を説いています。
これは松浦さんが心をうまく使えている人の特徴です。
僕の知っている心を上手につかえている人というのは、自分の心はどんなものかを知り、自分の心と仲良くして、自分の心に正直に生きている人です。彼らはまた、自分らしく生きている人であるのと同時に、いわゆる成功者でもあり、僕が尊敬し、憧れてやまない人ばかりでした。
では、具体的にどうしていれば心で考えることができるのでしょうかね。
心で考えるとは、限界がないという心の特性を生かして大いに想像するだけではなく、はっきりと能動的な意志の力を加えることです。
おおらかな想像に、「自分が信じたことは絶対にやり遂げる」とか、「自分が思い描いた場所に必ず行き着く」という意志と執念を付け加えること。それが心で考え、心を働かせるということです。
確かにこうやって考えていることの方が、夢や目標はうまくかなえていった気がします。
頭で考えるとどこかで「きっと無理だよ」なんて言い出すかもしれませんが、こうして実行してみるとうまく目標をかなえることができると思います。
この作品は、章の最後に箇条書きで書かれた要点があります。この言葉はどこで出たんだったか、と思ったら目安を付けて読み返すことができます。あー、ありがたい設計や。
次の章(チャプター)は、「こころを動かす」のは、仕事の基本というタイトルです。というか、そのまんま過ぎて、へっとなります。
まず、最初にこういいます。
成功した人、すごい人というのは、心を人一倍働かせようと意識し、コンディションを整え、精一杯の努力を続けている人だと思います。
これが、「こころを動かす」(正確には動かし続ける)ために必要なものです。なんか、拍子抜けするほど単純な回答なのですが…。
さて、それがどういうことかを見ていきます。まず、重要なのはこれ。
お客さまの側に立ち、お客さまを優先し、お客さまそのものになること。これはあらゆる仕事の基本ですが、従うこと、媚びること、卑屈になることは違います。
…。100パーセント、お客さまに合わせる必要はありません。
これはトーコも仕事をしていて思います。媚びること、卑屈になること。それは違うし、トーコも実際に嫌いでできません。
相手の言いなりになるのは、実は1番楽です。けど、そこから生み出せるものに限界はあります。
というか、お客さまに見え透けていて、いい評価はまず取れません。よくて普通、悪くてちょっと不満になります。(トーコ実話)
この後、こう述べています。
意見は聞くけれども、鵜呑みにはしない。よく考えて、守らなければいけない部分は守る。その時初めて、自分のしている仕事や自分の存在が、お客さまから信頼してもらえるようになります。
仕事において、恐らくですが、これが1番いい関係を築けているのだと思います。この領域になかなかたどり着かないのですが…。
なんだろう、下手なビジネス書より面白いぞ。
3つ目は、「こころを使う」のは、暮らしのきほん。ここでは、こころの使い方を示しています。まず、最初にこういいます。
目標を立てて行動し、実現することで誰かを幸せにしようというのが「心の働き」。日々の中で気づいたことをすくい上げ、工夫し、もっと良くすることで誰かを幸せにしようとするのが「心づかい」です。そのいずれも「心で考える」という営みで、生きていくうえでは欠かせないものだと僕は考えています。
よく目標を立てて宣言し、行動すると目標達成に必要なものが現れて自然と達成に近づく、なんて言う人もいますが、あながちそれに近いものがあるかと思います。
日常の中でもっと良くしたいと思うことで工夫することは、かなり多くの人がやっていると思います。それは、今までの固定観念を捨てることもあるでしょう。
なるべく心は凝り固まらず、ストレッチし、柔軟にしているのがいいのです。発見もアイディアも出てくることでしょう。
最後は、「心」と「頭」のバランスです。
私たちは、心と頭が常にペアで動いています。分離していることはないです。ただし、こういうときは心の声を聞いた方がいいです。
心がつぶやく根拠のない「あれ?」が聞こえてきたら、どんなに順調でも立ち止まったほうが安全です。
そんなことは皆さん一生のうちに何回かあることでしょう。なんか、トーコも交通事故に遭う寸前でそう思いましたもの。
さらに、「あれ?」に遭遇した時、何も見つからないことがあると思います。そんなときは、やったことがないことに挑戦するのがベストです。
それも「行き詰まる手前」でやることです。本当に行き詰まったら何もできなくなっているので、簡単にリセットすることができません。
最後に、トーコとしてはこれも重要だなと思ったこと。
今の自分が絶対に正しいと思っていない謙虚さ。いつでも自分を疑い、前向きな自己否定をし、新しいことを学ぶひたむきさ。自分らしさにとらわれずに、自分をアップデートできる賢さ。
人生100年時代に1番必要なのは、この心持な気がします。100年生きていれば常識は幾度も変わると思います。
逆を言えば、これが分かっていればきっとこの作品で言いたいことの半分はクリアできるかもしれませんね。
この作品を書いたとき、著者はクックパッドから新しい場所に移っていました。
恐らくですが、「暮らしの手帖」の編集長からクックパッドに移った際の体験が多少ベースになっているのかと思います。キャリアをある程度積んでからほぼ何かを捨てたかのような転職のはずです。自分のそれまでの常識が通用しないこともあったと思います。
そこから得たものなので、静かな語り口ながらも非常に説得力があります。そんななので、下手なビジネス書よりもためになる気がします。
■最後に
これからの世の中、頭だけではなく心でも考えて、動いていくことが重要になります。
心のクオリティを上げ、いつでも自分をアップデートし続けることが求められる時代を生きるいいヒントが詰まっています。